僕らは海沿いの町を三日月の夜に発った ここに戻ることはもうないと気づいていた 仲間と見上げた空も 君と見たあの夕暮れも 僕はここに置いてゆく 海へ出ることを決めたんだ 船には半年分の水と食料を積んだ これだけあればきっと困りはしないだろう 照りつけるあの太陽も音のしない静かな夜も 求めていたものだ そう、これは僕らの旅 ここは僕らの海だ 不確かな思いはあの町に全部置いてきた 曇天の空を抜け 掴むさ僕らの夜明け 足りないものなんてないだろう 静寂な夜を越え 黄金の鐘を打て あの町まで届くほど強く 僕らが海沿いの町を出てもう半年が経った 船に積んだ半年分の食料は底をついた 方角もわからないまま船はゆっくり進んでいく 空腹の僕らを乗せて 空は絵の具みたいに嘘のような青さで 不確かな思いもあの青に溶けていったんだ この海よ 遠く待つ僕らの夜明けよ この空は'どこまで青く 曇天の空を抜け 掴むさ僕らの夜明け 足りないものなんてないだろう 静寂な夜を越え 黄金の鐘を打て あの町まで届くほど強く 静寂な夜も今に明けるだろう 待ちに待っていた僕らの夜明けだ