記憶に沈むまぼろしの 背に色るの銀の羽 僕の名前つぶたいた 光りに寄せられた虫は 身体焦がして果てていく 影はここで生きられない 君は低くささやいた ひらりひらひら 虚を舞い踊れ めぐらされた 理から逃がれ 戯れ遊べ 胡蝶の君よ 僕の心も知らぬまま 記憶に揺らぐ蝶の声 焼けれ落ちゆく銀の羽 そのとき僕のまぶたには 涙ひとつ落とされた 腕に絡むは蜘蛛の糸 僕を縛る光の言葉 それでも僕は手を伸ばす 君の涙ぬぐうため ひらりひらひら こちらにおいで めぐらされた 運命をくぐって 戯れ遊べ 胡蝶の君よ 僕のそばでいつまでも 君の身体を 抱きしめ祈る 僕の腕へ閉じ込め祈る たとえ禁忌に触れていようと 僕は君だけ 愛してる――――