「出発!」 …ガタゴト ほら 荷馬車が揺れりゃ …ガクブル そら 老婆も吃驚し怖れ慄く(びびる) 帰りたいのに 言えない 帰りたくとも 家無い …ビシバシ ほら 馬鞭が撓なりゃ …ガクブル そら 老爺も≪挙動不審になる≫(きょどる) 帰りたいのに 言えない 帰りたくとも 家無い 回る 回る 車輪は廻る 運命(Moira)は彼等を何処へ運ぶ 背中合わせの温もりだけが 双りに灯る唯一の希望(Ελπιδα)…… 「ほら急げ!この無駄飯食い共が!」 「ほれほれ!止まってるんじゃねえ!」 重い足取りで Κάπου, κάπου, πηγαίνω κάπου; 念いは届かず Γιατί, γιατί, πρέπει να πάτε; 疲れた身体で (Kapou, kapou, pigaino kapou?) 運命だからと (Giati, giati, prepei na pate?) 平等なんて嘘なの? 幻想なの? 命に值段をつけられる墓(場)所 其れは奴隷市場 奴隷市場 奴隷市場…… 離れ離れ 繋いだ手と手 遥か遥か 引き裂かれて 「Misia!」「Elef!!」 巡る巡る 季節は廻る 運命(Moira)は双りを何処へ運び 今は見えざる歴史の涯に 舞い降りるのは誰の光……