Biancaneve bruno ~白雪姫と八人の小人~ Vo. 仙台エリ 《聖夜》(Christmas)を迎える度に 一人ずつ小人が增えてゆく それは私が公社で過ごした 歳月を数えるように ──ある一度の例外を除いて…… (Dopey, Grumpy, Sneezy, Sleepy, Happy, Bashful, Doc, Augusto...) 少女は走る 仮初めの現在を 少女は走る 不条理な世界を 泣いたり走ったりして成長することも あるのだろうと──念じて走った…… 少女は笑う 束の間の現在を 少女は笑う 無慈悲な世界を 紅茶とケーキには幸せの魔法が かかっていると──信じて笑った…… 嗚呼…《義体》(わたし)は戦う為 生かされているのだ 嗚呼…如何なる理由であれ 《敗北》(負る事)は《許容》(ゆる)されない 瞳を背けようとすればする程 その《恐怖》(やり)は広がる 《脆弱い》(弱い)自分に負けぬよう もっと強くなりたい 「私はどうすれば良い?」 ぬいぐるみに語りかけても 声色を変えた返事を待っても 答えを出すのはいつも自分だ ──『褐色の白雪姫』は戦うお姫様…… 「答えはもう決まっているのだ(です)」 「あれは、モンタルチーノで奪われた私の銃。 よくも私を撃ったな。 ヒルシャーさんのくれた大切な銃で。 ──許さない……絶対に許さない!」 私は勝った 敵を倒して大切なものを守った 私は知った 凍える世界を溶かす《光》(Good Morning)を 《兄妹》(Fratello)で愛を語らう言葉は持たない 優しさは時に鋭い刃物 不器用な者が触れ合えば 傷つけ合うこともあるけど 大切な人は両手で抱きしめよう…… (Dopey, Grumpy, Sneezy, Sleepy, Happy, Bashful, Doc, Augusto...) 「あれは何時だったのだろう? 優しい夢を見た。眼鏡と香水の香り。 『お母さん』の夢。私をさっと抱きしめてくれた。 気のせいかも知れないが、そんな気がしたのだ……」 「大丈夫、私は今日も頑張るよ!」 ──褐色の白雪姫(Biancaneve bruno)