柔らかな寝具 知らぬ部屋 目醒めたティアは 怯えた瞳で青年を見上げた 「いいわ。貴方が私を殺すのね……」 瞳閉じて、少女は首を差し出した 困り顔で青年は 両手挙げて "手にかけたりしない" そう誓う 傷だらけの身体に 巻かれてた優しさで その言葉に嘘はないとわかった──── 眩しい笑顔に戸惑いながらも 傷が癒える度 少しずつ言葉交わしはじめていた どうして? 貴方が笑うと嬉しいくて... けれど何故か 泣きたい程に苦しくて 次の春が来たなら見せてあげよう 海の蒼に咲いたアイリスを 貴方の為、私はこの詩を捧げましょう 閉ざされた歌声 色彩を戻して 他愛のない談笑でさえ 懐かしく思えたの──── "与える事"それしか識らなかった 少女は恋を識ってしまった 青年もまたいつしか 無垢な花に惹かれて 何もかもが ah... 幸せに満ちて 咲いてた...