失くした過去は記憶の中 どうしてこんなにも 美しく再生されるのだろう 手に入らない未来を どうしてこんなにも 求め続けてしまったのだろう 逃れるように 全ての旋律は色を無くし 手のひらから零れていった 失い続けていた 綻びに気づかぬまま 大切な娘の声も今は 記憶へと消えて…… 手の届かない幻想に どうしてこんなにも 心奪われ続けたのだろう 呪いのように いつかの旋律は月に溶けて 手のひらには何も残らず…… 失い続けていた 自らの存在さえ 愛してた精霊姫の居る世界は もうなかったのに…… 『死の先にあったはずの未来。そうあるべきだと信じた明日 全ての生は不平等に。全ての死は平等に……』 「ああ――――」 『黒い雪は、何もかもを覆い隠すように、いつまでも降り続ける それは、悲しいまでに美しいシークエンス』 どこまで失い続けていた 過ちに気づかぬまま 大切な家族のいる空まで 僕もさあ行こう…… 無慈悲な ah... 黒雪は静かに 視界を ah... 埋めて……