すれ違いに 土の香り 火の焚かれた処に 夜明けもなく漂う ヒラヒラと 惑いもなく 止まり発つ 蝶のよう舞う彼ら 一輪花 ただ受け入れ 塵積もった枯れ木に あと何度と咲くのか チリチリと 焼けはじめた 深い底 根が人知れず唸る またね、またねってほら 物憂げな顔して 燃えて尽きる音が ほんのわずかに鳴った 夜が明ける ヒラヒラと 惑いもなく 止まり発つ 蝶のよう舞う彼ら