ねんねんころりよ、おころりよ あんたは良い子だ、ねんねしな ねんねんころりよ、おころりよ あんたは良い子だ、ねんねしな 手毬風船太鼓の 仕舞に物語ひとつ聴かせて ねんねんころりよ、おころりよ あんたは良い子だ、ねんねしな ―数多の人と妖と 違う世界を生きてゆく運命を ―好きもせず好かれもせずに 独り歩み続ける役目を負う いくつもの季節を越えて 辿る悠久の あるべき物のために それでも今は ただ今は さぁさ 眠れ 永遠の 何もまだ知らぬ瞳よ 静かに眠れと 見守る 閉じた世界の 手繰りながら 強くあれと 願う ねんねんころりよ、おころりよ あんたは良い子だ、ねんねしな 花の咲く顷には 天空を翔ける様になる 夜が深くなる前に 夜に負けぬ術を得る …そしていつの 『永遠』をその手に握れ この名を継ぐ まだ何も知らぬ瞳よ 安らかに眠れ 惑わぬ様に 遥な記憶に 夢を見るか その寝顔は 茫洋たれど この背を追いかけ ただ強く育てと 願うは母なる者の務めか いつかは 同じ道を 辛くも苦しい 孤独の道を だから、今は せめて、今は この腕の ―ただ、安らかに ねんねんころりよ、おころりよ。 あんたは良い子だ、ねんねしな