遥か山の頂 煙るその先 舞った花弁一つ ふわり ふわり ふわふ 風の指す方を見て 一人呟く 紡ぐのは面映ゆい 人と人の言葉 颯爽と世を謳歌 ことを請えども 未だ手を拱いてなにもぞきずにいる 曖昧に時は過ぎ 歌うべき歌も知らずに 只々遣る方無く 淚一つ零す いつかこの世の全て 消える それでも 永い時を織成す天と地と人と 世界中に響く無数の產声は寄せては返す波のよう その潮騷の中 取り残さ気がして寒気がした 遮二無二駆け出せども 砂を噛むような日では 魂が枯れてしまう 呻き声残して 遠く彼方の空に 馳せる想いを乗せ 雲は風の随に ゆらり ゆらり 消える 嗚呼 我巌頭に立ち 目の当たりした 天壌に 得るべく答えなどは あるはずないと知る 風に戦ぐ蒼髮 青空を今一身に受けて 魂は枯らずものか 強く 强く 願う