霞み漂う桜の下で 虚ろな瞳隠した 遠い面影 墨染めたのは あの日託された約束 ずっと 壊れないでせめて此のまま そう 心沁みては締め付ける 今 光を纏う蝶が舞うのならば―― 季節を塞ぐ 細い指で この刃強く受け止めて 進む 刹那の疾風のように 胸に滲む 熱き血潮よ花と咲け 烈しく 紅く... 翳り 彷徨う桜の下で 緋が 蕾開く 不意に微笑む無垢な横顔 春をあつめ輝いてた そっと 撫でた髪の甘い香りも いつか 風に梳けて消え逝くだろう まだ 光に滲む蝶がまうのならば 永久に刻む 細い腕で その身を強く抱きしめた 淡い 切なの幽夢の中 胸に秘めた 清き精神を愛と知れ 気高く 蒼く... 細い指で この身を強く受け止めて 永い さくらの夢のように 胸に触れた 軋む痛みに凜と咲け 気高く 蒼く... 烈しく 紅く... 終わり