習慣を定義した、淹れたてのコーヒーは眩暈 音楽を流さない朝は妙な静けさだ タバコの煙が塞ぐ 今日は特別に皮肉だ まだ外は暗いままで 靴鳴らし、ドアを開けた 残像の去った今 歩き飽きた道も 絵になるなんて錯覚をしている情景 軽装の兵士達 遠くで唸るサイレン 日常に転がった起爆剤を疑った ガイドラインの夜光虫 外気に変わる吐息は未知のスピード 今日は輝いていろ 高度増すシラサギ 送電塔の遥か上に 俺の代わりに明日を盗んでくれ 無機質なビルの角が明り帯びる頃か なんて繰り返しの毎日だ 何ひとつ変わっちゃいないだろ 垂れ下がった電線 空で弾けた風船 下世話な街に放った羊たち 垂れ込んだ日差しに諭されたような気がして 嗤う現状からただ眼を逸らせないなんて レール上の決まったシナリオなんて 順番待ちの一生 きっと悪くはなかった 今日が人類の記念日となってしまうのなら そこに携われたことに乾杯 交差点の真ん中 見渡したオレンジの光景なんて 刻まれた皺の奥まで溶けるように深く染まっていた 存在を買い取って左手に断念を 何も起こせずに帰路を歩いていた 限界を遮ったクジラ雲 発煙筒 祈るまでの愛などない 愛などない 蠢いた人生の執着は冷めきって 窓辺に居座りひとつ受け入れた もう時代と老いていけはしないな アンチテーゼ完成像 耐えきれない群衆は今日を嘆いた 大きく息を吐いた もう行こうか、鼓動が終わりを数えている 手を入れて襟の内側をなぞる 鈍く光り飾る終末に口づけを捧げよう 咥えた銃口は微かに 古いあの日の味がした -END-