遠く思い出すのは 月の砂に 怯えていた 僕らの事 君の手はもう 満ち足りはせず 震えていた 凍えていた 小さな実が揺れた 大きく口を開き 祈りを餌にする 誰かに聞こう 彼らの灯火を 僕らはかつて 捨てたのかと ただ 遠くの方へ 石くれを放った ただ 遠くの闇は 言葉足らずに 歌う 君が 穢した 光を見ろと 「夕日が沈む前に 私の小さな実を 差し出せたら 永遠を運ぶ砂も 月の欠片も 恐れないわ」 大きく口を開き 祈りを貪り喰う 何かに問おう 彼らは灯火を その手に既に 留めたかと 「今日見た夢の事 話したいの 貴方がいて 私がいて 赤い空を 満ち足りたまま 見つめていた ヒトのように」