[00:04.640]雨が降りしきる中 [00:07.760]狐は、男を待っていた。 [00:52.470]とある夏の夜の夢に酷く胸を灼かれては [00:58.130]心掻き乱されるパラノヰア [01:03.690]獣 故の性分か甘い蜜に従順な [01:09.020]この身焦がし今宵も 下弦の月を睨む [01:14.880]二つの世を分け隔つ物 この手で切り刻む為に [01:20.160]水鏡に写る姿さえも変えて見せよう [01:26.930]通り雨で終わるなら [01:29.590]泣いて泣いてそれでも泣いて [01:32.310]大きな湖(うみ)になったなら [01:35.160]貴方は溺れてくれますか [01:59.820]侘びしき秋の夕暮れも 舞い散る雪へと移ろう [02:05.340]馳せる想いの丈も降り積もる [02:10.810]一目いま一目よ と急く心を宥めては [02:16.230]玉響の逢瀬へと足早に闇を駆ける [02:22.050]梅の華 簪(かんざし)にして 打った芝居の数よりも [02:27.440]暇乞いの侘びしさに幾度も枕濡らす [02:34.080]通り雨で終わるとも [02:36.920]愛し愛しそれでも愛し [02:39.550]千里の山も越えたなら [02:42.320]私を愛してくれますか [03:29.300]宿命に抗いながら 恋唄紡ぐ春の夜に [03:34.680]愛しき人 微笑むその先に女の影 [03:42.950]通り雨に過ぎずとも [03:45.530]愛し愛し愛し疲れて [03:48.130]化かし合いに勝てぬなら [03:50.950]いっそ二人で [03:53.590]三途の舟場を越えて [03:56.350]共に餓鬼の籍に入ろうか [03:59.110]髑髏(されこうべ)さえも愛しい [04:02.080]此が私の嫁入り [04:17.070]血潮の湯浴み済んだら 程なく参ります