闇を暴く満月 逸る鼓動が刻む終幕の始まり 暗澹に抱かれ 錆びた願いを裂く無数の足音 「紅い瞳を持つ魔女を裁け」 混沌に揺れる世界で 繋がれた掌の熱が 道標を灯す光 運命に散る涙の跡を踏み荒して 捩れた正義を翳す狂気 正邪を騙る秤 血塗れ傾ぐ刹那 終焉の警鐘が鳴る 悪夢の夜 穢れた命脈 人ならざる異端だと蔑む人々 悪いのはわたし? 冷えていく魂は明答を持たない 「厭われし力を滅ぼせ」 混迷に拉ぐ世界で 紡ぎ出す言葉は無力で 傷痕を増やし続けた 飛び交う怒声 悪魔の瞳をした傀儡 壊れた正義で揮う凶器 大切な人と共に 在りたいだけなのに 倖せを願うのは罪ですか 哀しい世界を棄てて あなたと永久に眠ろう 喪われていく熱に纏わる焔火 逆しまの満月を紅く染めて 絡めた指に強く 愛しさを重ねる ふたりで溶けて逝くの 悪夢の中