[00:38.94]海の見えるこの街にて暫し翼を休める [00:42.44]冴えた群青 [00:43.78]眼に飛び込んでは目眩に似た眩しさを催す [00:48.3]雛みたいな子どもが興味を連れてこちらを伺う [00:52.18]冷めた濃紺 [00:53.13]近づくなと厳しい顔をして後退促した [00:57.83][ほら]とパンを手に持って近寄るな [01:07.63]ラガッツァ・カリーナ [01:08.70]混じりけのない瞳で見てくるなよ [01:12.31]ラガッツァ・カリーナ [01:13.53]魚は水面を翔ける [01:16.38]今は昔沈んだ蒸気船の汽笛が響起 [01:21.20]ほら、遠く遠く遠く [01:26.89]海の見えるこの街にて千切れ雲は空泳ぐ [01:30.48]映えた薄紅 [01:31.33]逸らせば負けの世界で生きてるので眼は逸らさぬ [01:35.97]ほんの1秒足らずの出来事が100年にも感じる [01:40.20]欠けた鴇色 [01:40.88]繕うにはもう時間も力もないと解ってた [01:45.83][おいで]と害のない顔で近寄るな [01:55.49]ラガッツァ・カリーナ [01:56.63]夢の中で化けて出てくるなよ [02:00.16]ラガッツァ・カリーナ [02:01.26]魚は虚空を仰ぐ [02:04.18]呼ばれ振り向くことなく砂の上を走り出す [02:08.88]ほら、遠く遠く遠く [02:33.82]ラガッツァ・カリーナ [02:34.87]喰わなかったが嫌いじゃなかった [02:38.41]ラガッツァ・カリーナ [02:39.59]跡もなく飛び立つ [02:42.65]姿が追いつかず青空の中に消えてしまうまで [02:47.59]ほら、遠く遠く遠く [02:52.31]ああ、遠く遠く遠く [02:57.25]もう、見えなくなった