兎角一夜は瞬きと散りで 人の世も又、夢幻の様 「嗚呼、幾度別れを惜しめば  此の懸想い報われるのでしょう?」 只、今貴女に寄添って 月が満ち行くの眺めて居た 其れが気休めか我侭かも知らず 過去を偲べど解決に成らず 明日を望めど此の先は解らず 「嗚呼、何時しか貴女も此処から  居なく為って仕舞うのでしょ?」 翳る横顔、雲間揺れる 月の光浴び濡れて居る 頬を伝い往く貴女の不安喰らう やがて此の身は朽ちで灰に為り 貴女を残して仕舞うのだろう 其れは私の罪 只、今貴女に見守れて 月が欠け、逝くのを待って居た そんな顔なんてさせたくは無かった 廻り廻って又、此処へ 貴女の許へと還る日迄 其れ迄御元気で 何時か又、逢いましょう