遠くまで細長く伸びた影は同じ歩幅で歩く 空へ高く昇り逝くあの子らと共に 幸せの在り方を問う 降り出した雨に濡れた幼きこの子の手を引く 背中には乳飲み子を背負い 泡沫の如く消えた彼の人を辿り 行き摺りの人に面影を探した 降り出した雨の後に空に虹が架かる 雨雲をかき分けるかの様に 微かに聴こえる波の音に惹かれ 三つの影は朝霧に霞む 『このまま消えないでいて』と願った幸せの日々が音もなく崩れて 重ねたこの子の手を引き波に消ゆ 影を踏み微笑み浮かべる小さな幸せをまた想い 永遠と見紛う程 煌々と揺らめき光る 回々…音を立てながら廻る風車に弔いの言の葉を乗せ 空高く昇り逝くあの子らと共に 幸せの在り方の知る 悴む水面に木漏れ日は揺れる 織り成す光に酔う 風のざわめきが木の葉をまた舞い上げて… 遥か遠くまで細長く伸びた影は同じ歩幅で歩く 永遠と見紛う程 煌々と揺らめき光る 紡ぐ指先であやす笑みに再びまた河原の石を積み重ね 空高くただ たおやかに昇り逝く せめて無垢なあの子らに幸あれ