この螺旋階段には、たしかに、何かが、いる。』 『決して迷ってはいけない。決して止まってはいけない。 この螺旋階段には、何かが、いる。』 私は昇っているのか、それとも降りているのか。 ただひとつ、分かっている事。 とにかく、何かが、追って来ている。 その姿を見たものはいない。いや、見せないと言うべきか。 ただ、じっと息を潜めて、こちらを観ているだ。 昇るべきか、降りるべきか。それが問題だ。 『決して振り返ってはいけない。決して後悔してはいけない。 それは常に人の心の隙間を覗いている。 私はただ、ひたすら逃げ続けるしかないのだ。 静かに息を潜めて、こちらを観ている 人はそれを、螺旋階段の悪魔と呼んだ。 『決して振り返ってはいけない。決して後悔してはいけない。 それは常に人の心の隙間を覗いている。 私はただ、ひたすら逃げ続けるしかないのだ。 この螺旋階段には、たしかに、何かが、いる。』 『私は昇っているのか、それとも降りているのか。 ただひとつ、分かっている事。 この螺旋階段には、悪魔が、いる。 』