微か そう、微か 意識から抜けていく 哀しくもない思い出ならば 見向きもしない あの 少し そう、少し 鮮やかに溶けていく コバルト色の涙の数も 忘れてしまう 降りしきる藍の雨には 寄り添う気持ちもない 優しい言葉 身勝手な人 過ちと弱さだけ 意味を求めるほど 強く抗う 無実と嘆くほど 遠くかすめる 頬へ伝う一雫の 流れた熱量(ぬくもり) 遥か そう、遥か 記憶まで閉じていく 心さえ無い歌だけならば もう聞きたくないから… 敢えて 留めた 私だけ取り残す 見慣れた人の横顔さえも 焦がれてしまう 染め上げる冬の前には 確かめる術さえない 白黒の花 奪われた色 その意味を教えてよ 咎めることでしか 愛せなくなる 蔑むことでしか 寄せなくなる 願わないで 振り向いても いつか色を取り戻す 泣きたいものだけは胸に抱えて 叶わぬ願いでも祈り続ける 頬に伝う一雫へ 忘れた思い出を