[00:14.00] [00:15.88]灼熱の砂の嵐が [00:21.15]空を焦がした途を行く [00:25.96]こんな悪夢は何処まで続くか [00:31.38]呟きが喉を枯らす [00:35.49] [00:36.19]空腹で遂に倒れた [00:41.56]旅人を村に招いて [00:46.41]休みなさいと宿を与えた [00:51.79]優しき老婆 [00:56.31] [00:57.21]――盗め 盗め 金も種も [01:02.38]あれも これも高く売れる [01:07.42]どうせ水は乾く土地さ [01:12.27]涙も命も… [01:15.75] [01:16.65]さあ 持てるだけの全てを奪って [01:22.40]夜明けを待たずに走り出せ [01:27.50]誰にも裁けるはずのない [01:32.64]明日を生きる罪 [01:37.72]砂漠に棲む魔物が嗤った [01:42.83]汚れたその片目に映る [01:47.95]世界はもう濁ったままで [01:53.11]希望の極星も霞む [02:00.89] [02:23.34]水場で金貨を数える [02:28.70]盗人に呼びかけたのは [02:33.53]家族とはぐれて一人ぼっち [02:38.92]哀れな子ども [02:43.48] [02:44.38]――捨てろ 捨てろ 砂の海へ [02:49.51]進みたくば立ち止まるな [02:54.59]駱駝さえも怯む旅に [02:59.40]途連れは邪魔だ… [03:02.97] [03:03.87]嗚呼 理性を天秤へと載せても [03:09.55]心は そう量れやしない [03:14.71]刹那の迷いと気まぐれで [03:19.80]後ろを振り返り [03:24.92]砂漠に棲む魔物の孤独を [03:29.99]己をその姿に重ね [03:35.13]救いの手を差し伸べようと [03:40.21]背中で血を拭った [03:47.89] [04:06.18]そして [04:08.19]幾千もの光を奪った [04:13.33]男もまた奪われていく [04:18.48]誰にも裁けるはずのない [04:23.57]その子が生きる罪 [04:28.68]砂漠に棲む魔物が笑った [04:33.77]開かないその目蓋の向こう [04:38.88]世界はまだ綺麗なままで [04:43.99]微かに極星は灯る [04:52.63]