翼の少女の故郷は 風を抱く王国 父の遺した古い鍵 開く扉を探す 闇を患う両目 二度と映らぬ あの都市 いつか還れたら… ――そう 囁く 遠い遠い黄昏に繋がった天へ よろめいたその魂を攫い鳥は飛ぶ 重く錆びた鍵束を託された男 独り少女を看取った彼は異国の旅人 翼を亡くした彼が目指す世界の最果て 滅びた王国が眠る森 ふと蘇る詩 誰も知らない場所に 咲いてる花が枯れようと 何も変わらない? ――ねえ、教えて 金色に染まる黄昏を貫いた塔 君は消える事よりも 未来を恐れてた そして辿り着いたのは 夢に見た景色 もの云わぬ君の願い 鍵よ扉を開いて… 遠い遠い黄昏に繋がった途で 君の羽根を涙ごと土に埋めて往く 遙か刻の終わりへと歩き出す男 眠る少女の代わりに天を手にした旅人