街を包んでいた 星の地図が 音を立てず 1つ 1つ 白く溶けていく 誰も知らない 新しい 朝へ 枝で休んでいた 鳥たちが 頭をあげ 1羽 1羽 歌をさえずる 誰かが待っていた 始まりを告げる鈴のように 目覚める街 行き交う人 変わらぬ日々の 綻びから 僕を呼ぶ声が闻こえたんだ あの日から 君は僕の名前を 何度言ったかな 数えたことはないけれど 呆れる僕を追いかける君 小さな恋の音がした 森を歩いていた 僕の後ろ 珍しげに 1歩1歩 土の上を進む 誰もが知らない 秘密の場所への通り道で 遠ざかっては 近づいて ふたりの距離は 時計の針のようだねと 僕の手を握った 君の微笑みに つられて笑う ただそれだけで 世界は輝いて見えた そんな 日々がきっと 永遠に続くと思っていた 自由な空を眺めるだけの僕は 気づかないふりをしていたんだ 知っていたよ わかっていたよ 魔法が解ける日がくること 夢を紡いだ 糸は途切れて 丹色の街に 終わりの鐘が鳴り響く 君は知っているのかな あの花の言葉は 『 』 僕と君は 空に浮かぶ星 交わることなく いつか流れ消えるもの でも 同じ時の中で 確かに生きていたんだ 僕らの軌跡に コスモスは咲く 終わり