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雨曝しなら濡れるがいいさ |
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コンクリートの隙間(すきま)から顔(かお)出(で)した |
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草(くさ)の様(よう)な花(はな)の様(よう)な |
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「なんだってかんだったって知(し)らないよ」 |
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なんでもねぇや突(つ)っ立(た)っている |
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『雨曝(あまざら)しなら濡(ぬ)れるがいいさ |
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だって、どうせ傘(かさ)な持(も)つて無い(ない)んだ |
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時(とき)が来(き)たなら終(お)わるもいいさ |
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それが俺(おれ)の最後(さいご)の運命(うんめい)だったら |
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その時(とき)、瞼(まぶた)に吹(ふ)く風(かぜ)も見(み)えるだろう |
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静(しず)かに揺(ゆ)れるだろう |
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吐(は)き出(だ)した溜(た)め息(いき)は干涸(ひから)びて |
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鳥達(とりたち)が啄(ついば)んていったよ |
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雲(くも)が誘(さそ)いに来(く)るけれど |
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君(きみ)の背中(せなか)は乗(の)れないもんな |
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雪(ゆき)が降(ふ)ったら泣(な)いてやるのさ |
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涙(なみだ)がちょつとの雪なら溶(と)かしちまうだろう |
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凍(こお)りついたら怒(いか)りを燃(も)やす |
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それが全(すべ)て景色(けしき)を燃(も)やしちまうだろう |
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その時(とき)焼(や)け焦(こ)げしまうだろう |
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煙(けむり)と変(か)わるだろう |
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生(う)まれた日から |
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後(うし)ろは無(な)いさ |
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広(ひろ)がる世界(せかい)が在(あ)るばかり |
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見据(みすえ)えてやるさ |
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強(つよ)がりばかり並(なら)べてやりば |
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ホラ雨雲(あまぐも)さえも逃(に)げ出(だ)す気配 |
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時(とき)が来(き)たなら消(き)えるもいいさ |
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それが俺(おれ)の最後(さいご)の運命(うんめい)だったら |
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その時(とき)、瞼(まぶた)に吹(ふ)く風(かぜ)も見(み)えるだろう |
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静(しず)かに揺(ゆ)れるだろう』 |